「ハケンアニメ!」を観た話
めっっちゃくちゃ良かったです。
監督:吉野耕平
脚本:政池洋佑
アニメ(だけでなく漫画とか映画とか色々なフィクション)に人生を救われたことがある人、ぜひ観てほしい。
核心のネタバレはしないように感想を書きますが、それでも新鮮な気持ちで観たい人はすぐ映画館へ!🏃
まず、「アニメに人生を救われた人」を全肯定して物語が進むとこがよかった。
わたしは自分自身のことを「フィクション(映画・漫画・アニメ)に人生を変えられた・救われた」と思っている。でも同時にそんな考えのことを、ちょっと大袈裟じゃない? 思い入れが強すぎない? って心のどこかでは思っていて。
だからこの作品の序盤(瞳監督の面接のシーンや王子監督のイベントでの発言)で、登場人物たちがアニメに救われた人生を語っている、それだけで涙が出た。
この作品に出会えてほんの少しでも人生が上向きになったとか、鬱々とした気持ちの慰めになったとか、どちらも他人事とは思えない。
一度そうやって序盤で惹き込まれてしまったら、あとはもうなんか全部泣けた。
見知らぬ誰かの身勝手な評価とか、悪意なく尊厳を削いでくる年長者とか、あらゆるものが思うように進まない苛立ちとか、瞳監督の全部に感情移入してずっと泣いてた。
一方で、瞳監督と対立する王子監督の苦悩や葛藤には、ひりつくような痛みを覚えた。
プロモーションにも使われている「描くことの壁は描くことでしか越えられない」という言葉を聞くのが苦しかった。何をやっても中途半端で、ちょっとしんどかったらすぐ「やーめた」って放り出してしまう自分が、物凄く矮小なものに思えて。
「描くことの壁は描くことでしか越えられない」
この言葉が胸に響いて、共感して、頑張ろうとペンを握り直す人たちの世界に、憧れているのに辿り着けない。そういう苦しさがあった。
それから、作中アニメが"ガチ"なのも良い。
ちょっとしたHPとPVまである……!!
監督:谷東
メカデザイン:柳瀬敬之
対する王子監督の「リデルライト」
監督:大塚隆史
キャラクターデザイン:岸田隆宏
同じ「アニメ」という括りだけど作風も表現も全然違って、制作スタッフやキャストさんも錚々たる顔触れで(本職の声優さんのアフレコシーンも作中にあります)、劇中作にここまでの力の入れよう…… "本気"だな…… と震えました……。
どっちが好きですか? とか観た人同士で語り合うのも楽しいはず! と思ってたら、グッズ売り場では「サバク」や「リデル」のアクスタとか缶バッジとか、「本当にありそう」なアニメグッズが売っててテンション上がりました!
本屋さんに行ったらなんと原作小説も「サバク」と「リデル」それぞれの特別カバーがかかったやつ2種類置いてあって! 少しずつ電子書籍に移行しようと思ってるのにうっかり紙で買っちゃった! 商売が上手い!(ちなみにアニメとして好みに合いそうなのは「リデル」ですが、主人公贔屓なので「サバク」版を買いました笑)(どっちも欲しくなる!!)
そんで最後に、中村倫也の顔がいいのでそれだけでももうこの映画観るべきです。顔がいいキャストが出る映画なんてなんぼ観てもいいですからね!!
じゃあまたね!