続・おやつカルパス

さくぶんれんしゅうちょう

シン・仮面ライダー感想文

※ネタバレ含みます。

 

シン・仮面ライダー、序盤は「あ〜〜 急展開だな〜〜 このテレビシリーズを端折ったかんじ、シン・ウルトラマンを思い出すなぁ〜〜」とか思ってたんだけど(どうしてもシン・ウルトラマンと比べちゃうの許してほしい)中盤からめちゃおもしろかった。人の心のドラマだった。


あと、シン・ウルトラマンを「微妙」だと感じたのに(好きな人ごめん)仮面ライダーも観に行きたいと思った理由を思い出した。

 

映像がいいんだよな。

 

シン・ゴジラを観た時、わたしはちょうど映画館によく足を運ぶようになり始めた時期で、「映像って監督によってこんなに変わるんだ」って思って感動した。

 

あの湿度が伝わってくるような映像と生の楽器の音が生きてる音楽、好きです。

 

そのときまでは監督って何してる人かいまいち分かってなかったし、何してる人かいまいち分からんのに「〇〇監督作品」とか大きく宣伝されるの何でだろうって思ってた。

 

でも監督によってあんな風に映像が変わるなら、確かに監督名が宣伝になるのわかるなぁって、実感したのがシン・ゴジラだった。

 

 

話が逸れたけど、シン・仮面ライダーもあのじわっとした映像が健在で、カメラワークとか表情の映し方とか、作り手の"熱"を感じて「好きだ〜〜〜〜………」となった。

 

(あとハチオーグ西野七瀬のパートがやたら力入ってたのも監督か誰かの趣味ですか……?)(坂道グループの卒業生が頑張ってると嬉しくなるので嬉しかった)(でもまあ物語の転換点だったし、趣味とかでなく作品全体の構成として力が入ってただけかもね)(ハチオーグあたりから「面白いな……」と物語にも惹き込まれていった)

 

良かったキャストは柄本佑
去年柄本佑が出てる映画をたまたま2本観て(真夜中乙女戦争とハケンアニメ)、良い役者さんだな〜〜〜 好きだな〜〜〜〜 と思ってたし、柄本さんが出てるというのもシン・仮面ライダーを観に行った理由のひとつ。

 

柄本佑が演じる仮面ライダー2号、哀しみを押し殺して戦う1号と違って、ピエロを演じて哀しみを誤魔化して生きるタイプ。その軽い態度の男が物語に介入したことで台詞のやりとりにコミカルさが加わって、テンポよくて続きが気になる展開になってたと思う。


彼が涙を流すシーンもぐっと胸にきた。柄本さんがボロボロに泣く姿を見たことで、2号だけでなく1号も、哀しみを抱えて戦ってるんだな…… ヒーローだな…… と感じることができた。

 

 

元々ウルトラマンにも仮面ライダーにも(ついでに言うと戦隊モノにも)深く触れずに生きてきたので気づかなかったんだけど、ひとくちに「ヒーロー」と言っても色んな信念や色んな格好よさがあるんだよな…… と改めて思った作品だった。

 

それに加えて今作は敵組織(SHOCKER)も「人類の幸福」を大義名分として掲げていて、「幸せってなに?」「誰が決めるの?」って哲学的な面も感じた作品だった。

 

そんな中で、クライマックスで語られた「自分の命を犠牲にして他人の心に尽くす」という在り方が格好良すぎて……。


「自分の命」の反対に来るのが「他人の命」ではなくて「他人の心」ということにハッとしたし、その「他人の心」を「守る」とか「救う」とかではなく「尽くす」と来るのか、と……。

 

言葉の重ね方が秀逸すぎる。

 

大まかな意味合いは聞き飽きるほど語られてきた自己犠牲論なのに、細かい言葉の使い方でこんなにも繊細なニュアンスが出せるのか……。

 

 

総じて言うと、映像表現が好みで、ストーリーも面白くて、最後にグッと心を動かされて、めちゃ満足な映画体験でした。

 

あの光ばちばちのアクションは映画館でしか楽しめないやつなので、派手な映像好きな人はぜひ映画館で!🙆‍♀️

 


じゃあまたね!!!